2016y05m29d_003110632
信濃毎日 2016年5月20日 
スポンサーリンク

 憲法を巡る安倍晋三首相と岡田克也民進党代表とのやりとりに、安全保障法制での安倍政権の不誠実な対応を思い出した。

 衆院で一昨日行われた党首討論だ。自民党の憲法改正草案と現憲法にはともに平和主義が貫かれている、との首相発言を岡田代表が取り上げ、「草案では平和主義の名の下で(安全保障に関し)どういう行為が禁止されているのか」とただした。

 首相の答弁は「草案は議論のたたき台として、一石を投じる役割を果たしている」。質問への答えになっていない。

 「国の在り方が問われる問題なので、参院選で国民の判断を仰ごう」。岡田代表が問い掛けると首相は「岡田さんは安保法を廃止すると言うが、日米同盟が悪くなっても廃止するのか」。はぐらかしに終始した



 憲法のどこをどう変えるつもりか、首相は今もってはっきりした説明をしていない。国会などで問われると「自民党の考え方は改憲草案で示している」とかわす。その自民党は改憲を掲げながら、参院選公約に具体的な項目は盛りこまない方針でいる。

 争点をあいまいにする手法は安保法制でも使われた。前回の衆院選では公約に「集団的自衛権」の文言はなかった。関連する記述は政策集の次の部分だけ。

 「国民の命と平和な暮らしを守り抜くため、平時から切れ目のない対応を可能とする安全保障法制を速やかに整備する」

 首相は選挙に勝つと「国民との約束を実行に移す」と述べ、集団的自衛権の行使容認から安保政策の転換へと突き進んだ。

 自民党の改憲草案には、憲法学者を含め各方面から多くの批判がある。▽緊急事態条項で政府に超法規的な権限を与えるのは危険すぎる▽「戦力を持たない」とする9条2項を見直すと戦争への歯止めが利かなくなる▽表現の自由が制限されて国民主権が危うくなる―などである。



 批判に対しては、「これは草案。たたき台にすぎない」と受け流し、選挙に勝った場合には「国民の信任を得た」として改憲へ進む理由づけにする―。そんなだまし討ちのようなやり方をしないか勘繰りたくもなる。

 首相と自民党の姿勢には争点隠しの思惑が透けて見える。こんなごまかしが続くようでは、改憲論議の土俵に乗ることはできない。






~~~ポイント~~~
 

① 憲法問題について、安倍総理は岡田代表の質問に答えず、はぐらかしに終始した

② 選挙前には争点をぼかし、選挙後に「これが争点でした」「信を得ました」という手法が安倍流。

③ 質問をはぐらかすばかりの安倍総理と改憲議論はできない。






スポンサーリンク